木下優樹菜の一件から考える「怒り」の治め方

WEB法話


少し前の事ですが木下優樹菜の暴言に関する一件が話題になりました。
彼女の姉と、姉が務めていたタピオカ店経営者のトラブルに対して激昂した木下優樹菜が感情に任せたメッセージを送りつけたという事のようです。
その結果木下優樹菜は芸能活動を自粛する事になった訳で、デビュー当時はヤンキーキャラであったのが最近は女性にも好感度の高いタレントとして活躍していたのでその代償はとても大きいですね。

この様に「怒り」に任せて行動すると言うことは僕自身の経験から言ってもロクな結果になりません。
自分の感情に振り回されるということは精神的に未熟なんだろうなと自戒を込めて思います。

自分の感情、特に「怒り」の感情は上手くコントロールしたいと思いますが、なかなか思った様にならないのが現実です。
未熟な我々は日常生活の中でちょっとしたことに腹を立てて怒ってしまいます。
そして、その後に後悔したり自己嫌悪に陥ったりするのです。

そこで今回は「怒りの感情をコントロールする方法」を教えてくれる本を紹介しましょう。

スリランカ初期仏教の長老、アルボムッレ・スマナサーラ著
怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)

この本では初期仏教の視点から「怒り」という感情がいかに有害で無益であるのかを解いています。
そして「怒り」を治める具体的な方法を紹介しています。

内容は次の通り。
「怒りとは何か」…人はなぜ怒るのか
「怒りが幸福を壊す」…怒ることのデメリット
「起こらない人」…起こらない人はどんな人か
「怒りの治め方」…どうやったら治める事が出来るのか

結論としては「起こらなければいい」と著者は言っています。
それが出来ないから苦労してるのに…
でもこの本を読み終わった後にはこの言葉が理解できると思います。

ではこの本で著者がどの様に述べているのかを簡単に紹介しましょう。

「怒り」という感情は「自分は正しい」というエゴから来ているのです。
でも「自分は正しい」という事は本当に正しいのだろうか?
その「自分は正しい」というエゴを捨てたら心は自由になれるし「怒り」も湧いてこないよ。

かなり無理矢理まとめましたが、こういう事です。

確かに自分を基準に考えると、基準から離れた行為には腹が立つものです。
でも、もしかしたら自分が間違っているかも知れないし、相手には相手の道理があるかも知れません。
ならば怒る前にその事を考えたり、相手の話を聞いたりしたら良いでしょう。
もし明らかに自分が正しくて相手が間違っていたら「怒る」のではなく「諭す」など他の選択肢も出てくるかも知れません。
そうすれば怒る必要も無くなる訳です。

僕はこの本を読んでから「怒る」という事が随分減ったと思いますし、実際に他の人から「怒らない人」と評価してもらう事もあります。
初期仏教の長老の本ですが、専門的な用語も使わず、語りかける様な優しい文章ですからとても読みやすので「腹が立ってしょうがない」という方に特にお薦めします。