あの戦争を知るために、オススメ漫画4選

2022年3月13日WEB法話,書籍などの紹介

あの戦争を知るために読んでもらいたい漫画4選
こんな時こそインプット

新型コロナウイルス感染防止の為に様々な活動が自粛や中止になる中、少林寺拳法の修練も行えなくなっている拳士もたくさんいるんじゃないかと思います。
我が米子祇園道院も3月いっぱいは修練を休む事になりました。

こんな情勢なので仕方がない、と割り切って空いた時間を有効に使いたいもの。
そこで僕は是非ともインプットに時間を使ってもらいたい、と考えています。

今の時代はインターネットを使って自宅にいながら様々な情報を手に入れることができます。
・映画や音楽の定額制配信サービス
・電子書籍やオーディオブック
・YouTube
これらを使えば人混みの中に出かける事なく有益な情報が手に入るのだから、なんと便利な世の中になったことでしょうか。

オススメ漫画4選

いろいろとオススメしたい物がたくさんあるのですが、今回はKindleでも読める大東亜戦争を題材にした漫画を紹介します。

なぜこの分野の漫画を紹介しようと思うのか?
それはもちろん少林寺拳法の創始に深く関わる事だからです。
あの戦争を知る事で開祖がなぜ少林寺拳法を創始したのかを想像しやすくなるんじゃないかと思います。

今回紹介する漫画はどれも大変優れた作品なので、ぜひたくさんの方に読んでもらいたいのです。

● 武田一義作 ペリリュー ー楽園のゲルニカー

現在のパラオ共和国にある南海の小島ペリリュー島を舞台に繰り広げられた戦闘を描いた作品です。
日本軍約10,000に対し米軍約50,000での戦闘。
日本軍はなんと2ヶ月以上も闘い、生存者はわずか34名であったと言います。
漫画では兵隊さんが三頭身で可愛らしく描かれていますが、彼らが体験する地獄のような体験をソフトに伝えているのか、逆にもっと残酷に伝えているのかは、もしかしたら読み手によって違うのかも知れません。
かなり残酷な描写もあり重い作品ではありますが、ぜひ読んでもらいたい。

● こうの史代作 この世界の片隅に

草の根的に大ヒットしたアニメ映画の原作です。
戦前に広島市から呉市に嫁いだ女性の日常の生活を通じて戦時中のふつうの人々の暮らしをリアルに、そしてユーモラスに描いています。
僕はこの作品からあの大変な時代を生きた普通の人々の「普通の強さ」を感じました。
そして彼らのように、震災にしても、今回のコロナウイルスの騒動にしても何とかしていく強さが僕たちにもあるんじゃないかと思います。

● こうの史代作 夕凪の街 桜の国

同じくこうの史代さんの作品です。「この世界の片隅に」の前に発表された作品で、同じく広島の原爆について描かれています。
被曝した女性のその後を描いた「夕凪の街」と、その女性の姪を通じて描かれた家族の物語です。
初めは「夕凪の街」が読み切りとして発表されたのを偶然読んで衝撃を受け、切り抜きを保存しています。大学の合宿に持参して講話の題材にして学生に回し読みもさせました。
直接的な原爆の恐ろしさではなく、原爆が一人の女性の人生にいかに影響を与えたかを描く事で、その恐ろしさと表現している様に思います。
「桜の国」パートでは原爆被害と現代は確かに繋がっているのだと言うことを再認識させてくれました。
「この世界の片隅に」と合わせて読んでもらいたい作品です。

● 水木しげる作 総員玉砕せよ!

「ゲゲゲの鬼太郎」など妖怪漫画で有名な水木しげる大先生ですが、実は数多くの戦記物も描いています。
その中でもこの作品は戦争の恐ろしさ、理不尽さをユーモアを交えながらリアルに描いています。
なんせ、水木しげる大先生は実際に南方の最前線の中の最前線に投入された生き残りですから「本物の凄み」がそこにあります。
中でもこの作品は「描き残さなければならないと思った。これは亡き戦友が描かせたもの」と思い入れの強い作品です。

以上、4つの作品を紹介しました。

われわれ戦争を知らない世代は、自分たちから積極的に求めなければ戦争についての情報を得ることがむずかしくなっています。
少林寺拳法を深く理解しようと思えば、戦争について、そしてそこに至る近代史を正しく学ぶ必要があると僕は考えています。

そのための教材として、これらの漫画はとても有効と思い、ここに紹介することにしました。