知らなきゃ損する 少林寺拳法的解剖学のススメ

WEB法話

知らなきゃ損する少林寺拳法的解剖学のススメ

僕は少林寺拳法に限らず、スポーツや介護など身体運動や身体を使った仕事に携わる人にとって「人体の仕組み」について知る事はとても重要だと考えています。

人体の仕組みが分かると次の様なメリットが考えられます。

・自分や相手の身体を効率的に動かす事ができる。
・自分や相手の身体を安全に動かす事ができる。
・上記について指導する際に根拠のある指導ができる。
・理にかなったトレーニングやトレーニング指導ができる。
・トレーイングなど身体操作について学習する時の基礎知識として重要

こんなところでしょうか。

例えば車を運転する場合について考えてみると、移動の手段としてだけ車を利用する人なら車の仕組みについての知識はそれほど重要ではないかも知れません。困ったことがあったら整備士など専門家に任せればいいのですから。

しかしドライバーなど車の運転を仕事にしている人になると、ある程度は車の仕組みに関する知識を持っておかないと日常の点検や安全で効率的な運転、万が一の時の対処が上手くできない、という事も考えられます。

人間の身体についても同じで、プロでなくてもある程度は専門的に身体を使うような人であれば人体についての基礎的な知識は身につけておくべきだと思います。

人体の仕組みについての学問を「解剖学」と言います。

人間にはどこにどんな骨があるのか。
筋肉はどんな仕組みになっていてどんな種類があるのか。
内臓はどこに身体のどこに収まっていてどんな働きをしているのか。
血管や神経は?
などを解剖学では学びます。

僕は以前、整体(カイロプラクティック)を仕事にしていました。
その学習の過程で基礎的な解剖学を学んだのですが、この知識が少林寺拳法の修練や指導でどれ程役に立った事か。

例えば
・突きや蹴りをする際に肩甲骨や股関節をどう動かしたら良いかが分かった。
・逆技で相手の関節の遊びの取り方が分かった。
・無理やりな技の掛け方をしなくなり怪我をさせない修練が出来るようになった。
・間違った身体の使い方を避ける事で自分の身体を痛める事を防げている。
などなど…

デメリットは?

一切無いです

逆にそういった知識を持たずに指導する例も見てきました。
ただ闇雲に身体を動かす。
やたらめったら負荷をかけるだけの筋トレやストレッチ。
そんな人に限って、「こんな修練を沢山したら上達する」と信じているし、ついて来れない人を「根性が無い」だとか、修練での怪我を「勲章」だとか言ってる訳です。

ナンセンスとしか言いようが無い。

少林寺拳法の修行の心得に「理を知ること」があります。
正しい知識を身につけて正しく実行できる事は上達を早めるし自分や相手の身体を守ることにも繋がります。
特に指導に携わる人には骨格や筋肉については必須の知識だと思っているので是非勉強してもらいたいと思います。

最近はこの本のように運動に関する解剖学をきれいな図解入りで分かりやすく紹介している本も沢山あるので勉強しやすいと思います。