少林寺拳法に限らず、とても大切な姿勢の話

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その不調、もしかして姿勢のせいでは?
今回は少林寺拳法の修行者に限らず誰にとっても大切な姿勢の話をします。

道院では易筋行(少林寺拳法の修練)の前には「鎮魂行」という行を行います。
この中で座禅を行うのですが姿勢が崩れる人があるので注意が必要です。
座禅の時以外にも姿勢が崩れる事は百害あって一利なしです。

ちなみに僕は高校生で少林寺拳法を始めて以後、自分の姿勢に対して意識をするようになりました。
正しい姿勢と崩れた姿勢の違いを自分自身の身体を通して比較したりもしました。
さらに整体(カイロプラクティック)を学び、その過程で解剖学や生理学も学びました。施術を通して姿勢の乱れから体調を崩す方にたくさん出会ってきました。
なので姿勢についてはかなりこだわりがあるのです。

今回は以下の様な視点から姿勢について考えてみましょう。

・正しい姿勢とは
・正しい姿勢がもたらすメリット
・姿勢が崩れるデメリット
・まとめ

・正しい姿勢とは
正しい姿勢は下のイラストを参考にしてもらうと分かりやすいです。

人間の背骨は7個の頸椎(首の骨)と12個の胸椎(胸の骨)、5つの腰椎(腰の骨)
そして仙骨、尾骨で構成されています。
頸椎と腰椎は前弯(前カーブ)、胸椎と仙骨尾骨は後弯(後ろカーブ)を描く様にして並んでいます。この状態が維持できているのが正しい姿勢です。
正しい姿勢のチェック方法としては踵(かかと)を壁に付けて立ち、ふくらはぎ、尻、背中の中程、後頭部が壁に接するかどうか確認する方法があります。
しかしいつも壁に身体を付けてチェックするわけにもいかないので僕は頭のてっぺんが風船に持ち上げられる様なイメージを持つ様にアドバイスしています。
座る時も基本的には同じで、骨板の上に胴体がシッカリと乗っかっているイメージで座ります。

・正しい姿勢のメリット
正しい姿勢というのは人間本来の姿勢ですから身体に負担がかかりません。
筋肉はリラックスして腹部の消化器系の内臓も正しい位置に収まり正しく働いてくれます。肺も楽に呼吸をすることができます。
正しい姿勢ができていると骨格が身体をしっかりと支えてくれます。
試しに正しい姿勢で座った状態で誰かに後ろから両方を押さえてもらいましょう。
多少力をかけて押されても楽に持ちこたえることができるはずです。
このように正しい姿勢をとると身体が本来の機能を発揮しやすくなると同時に心も落ち着いてきます。

・姿勢が崩れるデメリット
基本的にはメリットの逆を考えたら良いです。
姿勢が崩れると身体に負担がかかります。筋肉は崩れた姿勢を補うために本来の仕事以外の仕事をいつもしなければなりません。
腹部や胸部が圧迫されるので消化器系の内臓や肺が圧迫されてしまい本来の力を発揮することができなくなります。
姿勢が崩れた状態で後ろから押さえる実験をしてみましょう。押さえられると身体はあっさりと潰されてしまいます。
注意:姿勢を崩した時はホントにあっさりと潰されてしまうので怪我のない様に少しずつ負荷をかけて下さい。
姿勢が崩れると身体が本来の機能を発揮できにくくなり気持ちも沈みがちになります。

・まとめ
年配の人から「子供の頃に背中を丸めて食事をすると親から怒られた」という話をよく聞きます。今よりも各段に肉体労働の機会が多かった頃は身体に対する意識も今とは随分と違っていたと思います。家庭でのしつけや、長時間の歩行や労働で正しい姿勢、疲れにくい姿勢を自然に獲得していたんじゃないのかと僕は考えています。
少林寺拳法の技術も正しい姿勢で行った方がより正確に行うことができます。
少林寺拳法の修練を通して自分自身の身体と向き合い姿勢にも意識を向けてみると良いと思います。

追伸
米子祇園道院では易筋行の合間に姿勢のチェックをする事もあります。セラピストの経験からのアドバイスもしています。興味のある方は一度お出かけくださいね。