「怒り」について

2017年10月18日WEB法話

米子祇園道院、道院長の森崎です。

職場の同僚から時々言われるのですが、私はあまり「怒る」という印象がないそうです。
曰く「森崎さんって怒ることあるの?」

そりゃ私だって人並みの人間ですから怒ることはあります。
20代から30代にかけての頃は何かにつけやたらと怒っていたように思います。
今から思えば全く怒るべきことではないのですが・・・

認めたくないものです、自分自身の若さ故の過ちというものは・・・

しかし、数年前に出会ったある本を読んでからは「怒る」という感情との付き合い方が変わりました。

その本というのがスリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老であるアルボムッレ・スマナサーラ師の著書 怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書) です。

この本には怒ることがいかに無益であるのかが分かりやすく述べられています。

確かにその通りで、怒った事で解決したことなんてあっただろうか?

私自身も若い頃は(今でも?)よく怒られたもです。
時には酷く怒られることもありましたが、反省する気持ちはあってもそれ以上に怒りの感情が”わだかまり”となって残っていたようにも思います。

では、怒らないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか?

そのためには怒りの原因になることに対しての捉え方、考え方をすこし変えればよいと筆者は述べます。

期待を膨らませてさらに読み進めていくと最後に「怒りたくないなら怒らなければいい、それだけだ」と述べていてズッコケました・・・(笑)

確かに仰るとおり。

以後、かつては怒っていたような場面でも「それほど怒らなくてもいいんじゃないの?」と思えることが増えてきました。
物事に対する考え方、捉え方を少し変えることが出来たのだと思います。

私は性格なんて「考え方の癖」の様なものだと思っているので、考え方が少し変えるだけで性格も変えられるものと信じています。
私は良書と出会うことによってその体験ができ、怒ることが減って気持ちが随分楽になりました。

しかし社会の不条理などについての「怒り」は必要な時もあります。
そんな時にはしっかりと怒っていこうと思います。