他人との比較の是非について考える

2022年3月13日WEB法話,自分を変える

鳥取県米子市で少林寺拳法を指導している米子祇園道院、道院長の森崎です。

このブログではあなたの「自分を変えたい」と言う想いをサポートする記事を中心に配信しています。

僕たちはついつい自分と他人を比較してしまいます。

もともと人間は自分と周囲の人とを比べることによって自己概念を作るものなので、それは仕方のないことです。

しかし、一方では「自分と人とを比べることは意味がない」と言う意見もあります。

人と比べることは良いことなの?

それとも良くないことなの?

と言うわけで今回は自分と他人を比較することの是非について考えてみました。

他人との比較について、ふたつの実験 その1

  • もともとIQの高い人たちを集めて5つのグループに分ける
  • 全員に認知テスト(頭の回転を測るテスト)を行う
  • その成績を全て公開してランクづけを行う
  • その後に全員に頭を使う作業を行わせる

結果

  • 認知テストの成績が低かった人ほど、その後の頭を使う作業ができなくなってしまった。
  • 時間が経つほどIQが下がった
  • 認知テストの上位の人と下位の人では作業後のIQの差が20ポイントも開いた
  • 中にはIQを15%も下げた人もいた

結論

  • もともとIQが高い人でも「自分は他人よりも頭が悪い」と思ってしまうだけでIQが下がってしまう。
  • だから他人と比べることをやめて無駄にIQを下げないようにしたほうがいい


参照動画

他人との比較について、ふたつの実験 その2

イスラエルにあるハイファ大学のモーシェ・ゼイドナーの実験

超優秀と判断された1020名の小学生について調査を行った。

対象となった子供の半数は普通の子供と一緒に授業を受けるレギュラークラスに在籍。

残りの半数は超優秀な子供だけを集めた特別クラスに在籍。

特別クラスにいる子供たちは

「 私は頭が悪い」

「 私は物覚えが悪い」

「 私は試験ができない」

などとネガティブな発言を多くしていることがわかった。

「たとえ自分が優秀であっても、周囲にも同じように優秀な人たちが多くいると、自分に自信を持てなくなり、自己評価も低くなってしまうのです。」

内藤 誼人著「世界最先端の研究が教える さらにすごい心理学」より

著者は

「たとえ一流企業や一流校に所属していても、後ろの方でヒイヒイ言いながらくっついていくよりは、二流、三流であっても、トップにいたほうが絶対に気持ちが良いでしょう。」「人間、何事も無理をしてはいけないと言う事ですね。」

と、まとめています。


参照書籍 ※Amazon.co.jpアソシエイト

ふたつの実験から分かったこと

自分と他人を比べて「自分は他の人よりも劣っている」と考えたときに能力や自己評価が下がってしまう

と言うこと。

このことは実生活の中でも実感する機会は多いのではないでしょうか?

では他人との比較はしてはいけないことなのでしょうか?

捉え方を変えてみる

前回の記事「プラス面を見て前向きに生きる」でも述べたように、物事にはマイナス面とプラス面があります。

人はついついマイナス面にばかり目を向けて落ち込んでしまうことが多いのですが、プラス面に目を向けることで前向きに気持ちを切り替えることができます。

他人との比較もマイナス面ではなくてプラス面に目を向けてみるとその後の行動も変わってくると思います。

他人との比較のマイナス面は「自分はできてない」と思って自己評価を下げてしまうこと。

他人との比較のプラス面は全体の中で自分はどの辺にいるのかが分かると言うこと。

自分よりも優秀な人がいると言うことが分かったら、それを良いとも悪いとも評価せずに、ありのままを受け入れることが大切なのだと思います。

現在地がわかると安心する

人は現在地が分からないと不安になります。

地図を持ってなくて現在地が目的地までどれくらいの位置なのかが分からないと不安になるのと同じです。

また、自分が全体の中のどれくらいの位置にいるのかが分からない状況も不安なものです。

なので自分を他人と比べた時も

「自分は他人よりも劣っている」とは考えないで

「自分は全体の中でどれくらいの位置にいるんだろうか」と考えた方が建設的だと思います。

事実をありのままに受け入れ、現在地が分かったところで

「このままでいい」と考えてもいいですし

「もっと頑張って上を目指そう」と考えてもいいわけです。

まとめ

僕たちはどうしても周囲にいる他人と自分を比べてしまいます。

そして自分より優れた人をみると自己評価を下げてしまうこともあります。

そうならないように、他人との比較の結果を良い悪いと評価せず、自分の現在位置の確認と考えるように捉え方を変えてみましょう。

そうすればこの後どう行動したらいいのかが見えてくるかも知れません。